それはDMER(不快性射乳反射)かもしれません|助産師が体験談と対処法を解説
📘 DMER(不快性射乳反射)とは?
DMER(不快性射乳反射)は、授乳や搾乳の直前に急に気持ちが沈む・不安になる・胸がざわつくなどの不快な感情が押し寄せる現象です。
原因は ドーパミンの急激な低下 とされ、ママの性格や育児能力とはまったく関係ありません。
多くの場合、この不快感は 数十秒〜数分でおさまる のが特徴です。
🔍 よくある症状
DMERのママたちからは、次のような声が聞かれます。
• 急に気持ちが沈む
• 不安・焦り・孤独感が押し寄せる
• 涙が出そうになる
• 授乳が「気持ち悪い」と感じる
• 胸のざわつきやモヤモヤ
授乳のたびに起こるため、「自分だけがおかしいのでは」と感じやすいのですが、これは身体の反応です。
👩🍼 私が出会ったDMERのママたち(体験談)
助産師として、出産直後のママや自宅訪問の場面で、DMERに悩む方に何度も出会ってきました。
◆ 産後すぐのママの声
「授乳のたびに胸がぎゅっと締めつけられるように苦しくなるんです。
赤ちゃんは可愛いのに、授乳の瞬間だけ気持ちが沈んでしまって…。
こんな気持ちになる自分が嫌で、誰にも言えませんでした。」
DMERという現象があることを知った瞬間、
「私だけじゃなかったんですね」と涙を流していた姿が印象的でした。
◆ 自宅訪問で出会ったママの声
「授乳が始まる直前だけ、理由もなく涙が出そうになるんです。
でも、授乳が終わるとケロッとしていて…。
自分でもよくわからなくて不安でした。」
DMERの説明をすると、
「ホルモンのせいなら、私のせいじゃないんですね」と
ほっとした表情に変わったのを覚えています。
こうした体験談は、DMERが“珍しいことではない”という安心材料になります。
🌿 母乳を“やめる”選択をする場合
DMERがつらく、母乳育児を中断する選択をするママもいます。
その際に知っておいてほしい科学的根拠があります。
✔ 罪悪感を軽くするポイント
• 現代のミルクは栄養的にとても優秀で、赤ちゃんはしっかり育つ
• 赤ちゃんの成長には「母乳かミルクか」よりも、安心できる環境が大切
• DMERはホルモンの反応であり、ママのせいではない
• 母乳をやめても、抱っこや声かけなどで愛着形成は十分に可能
母乳をやめることは「失敗」ではなく、あなたと赤ちゃんのための大切な選択肢のひとつです。
🌱 母乳を“続ける”選択をする場合
DMERがあっても母乳育児を続けたいと感じるママもいます。
その場合は、次のような工夫が不快感の軽減につながります。
✔ 不快感をやわらげるコツ
• 授乳前にゆっくり深呼吸をする
• 好きな音楽や香りで気をそらす
• パートナーと話す、スマホを見るなど「数十秒の波」を乗り切る工夫
• 授乳姿勢を変えて身体の緊張を減らす
• 「来るかもしれない」と予測して心の準備をしておく
• 助産師や家族など、理解者をそばに置く
完全に消えるわけではなくても、「つらさが少し軽くなる」ことを目指すケアです。
💛 助産師として伝えたいこと
DMERは、あなたが弱いからでも、母乳育児が向いていないからでもありません。
これは、授乳時のホルモン変化によって起こる生理的な反応です。
母乳を続けても、やめても、どちらも正しい選択です。
あなたと赤ちゃんが安心して過ごせる方法を、一緒に見つけていきましょう。
