授乳中のママにとって心配の一つが「乳腺炎」です。胸の張りやしこり、発熱を伴うこともあり、育児中の体力を大きく消耗してしまいます。
できれば乳腺炎にならないよう予防したいし、万が一なってしまったときには正しい対処を知っておきたいものです。
この記事では、助産師の視点から乳腺炎の予防と対処について、わかりやすく解説します。
1.乳腺炎の予防と対処の基本知識
1-1 🍼乳腺炎とは?症状と原因の仕組み
乳腺炎は、母乳の通り道である乳管が詰まったり、細菌感染が起こったりして胸に炎症が生じる状態です。
主な症状
- 乳房のしこりや痛み
- 赤みや熱感
- 発熱や倦怠感
原因
- 授乳間隔が空きすぎる
- 赤ちゃんの吸いつきが浅い
- 母乳がうまく流れない
1-2 🌼乳腺炎になりやすい時期と体調
特に注意が必要なのは、産後2〜3週目や授乳リズムが整う前の時期です。この時期は母乳量が増えることが多く、疲労やストレスが重なると乳腺炎のリスクが高まります。
体調の変化や乳房の張りを意識し、早めに対処することが大切です。
2.授乳でできる乳腺炎の予防と対処
2-1 🤱正しい授乳姿勢で乳腺炎を防ぐ
赤ちゃんが母乳を深く吸いつくことが基本です。授乳クッションなどを使い、ママと赤ちゃんの位置を安定させると乳首だけに刺激が集中せず、母乳の流れがスムーズになります。
2-2 🌷吸わせ方の工夫と授乳リズム
授乳前に乳輪をやさしくほぐすと、赤ちゃんが吸いやすくなります。少し母乳をにじませて湿らせるのも効果的です。
赤ちゃんが乳首と乳輪をしっかり含む(ラッチといいます)ことができれば、片方だけに偏った授乳や母乳の滞りを防げます。
授乳は必ず両側からという決まりはなく、赤ちゃんの飲み具合やおっぱいの張りに合わせて調整できます。必要に応じて次の授乳で反対側から始めるなど、柔軟に工夫することが乳腺炎の予防と対処につながります。
3.日常生活で意識したい乳腺炎の予防と対処
3-1 🍎食生活で気をつけたいポイント
母乳を詰まらせる食べ物はありません。大切なのはママ自身が元気でいられることです。
- 主食をしっかりとる
- 水分をこまめに摂る
- 疲れているときは果物やスープなど食べやすいものを
こうした小さな工夫が乳腺炎の予防と体力維持につながります。
3-2 🛌睡眠・休養で母乳の流れを整える
睡眠不足や疲労は母乳の分泌や流れに影響します。夜間授乳でまとまった睡眠がとれない場合は、日中に短時間でも横になって休むことが大切です。
家事は完璧を目指さず、できる範囲で行いましょう。家族に協力してもらえることはお願いしてもOKです。
4.トラブルを感じたときの乳腺炎の予防と対処
4-1 💖しこりや痛みを感じたら
胸にしこりや違和感を感じたら、まずは赤ちゃんにたくさん吸ってもらうことが第一の対処法です。
しこり部分に赤ちゃんの下あごが当たるように抱き方を工夫すると、母乳が流れやすくなります。
4-2 ❄️温冷法の使い方
授乳前に胸を温めると母乳の流れがよくなります。さらに体全体の血の巡りをよくする方法も効果的です:
- 背中や肩を温める
- 足浴で足先まで温める
- お灸やカイロで体を温める
こうした方法で血流が良くなると、乳腺にも母乳が届きやすくなります。
授乳後は痛みや炎症を和らげるために軽く冷やすと安心です。熱や痛みが強い場合は無理せず、専門家に相談してください。
5.助産師・医療機関に頼る乳腺炎の予防と対処
5-1 🏥受診の目安
次の症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう:
- 38度以上の発熱が続く
- 強い痛みで授乳できない
- 乳房の赤みが広がる
必要に応じて抗生物質や解熱剤が処方されることもあります。
5-2 👩⚕️助産師のケアと相談
助産師は乳腺炎の予防や授乳ケアについてアドバイス可能です。授乳姿勢のチェックや乳房ケア、母乳育児に関する相談もできます。
トラブルが軽いうちに相談することで悪化を防ぎやすくなります。
🌟まとめ
乳腺炎は珍しいものではありません。大切なのは:
- 赤ちゃんにしっかり吸ってもらう工夫
- ママ自身が安心して食べ・休むこと
- つらいときはひとりで頑張らず、助産師や医療機関を頼ること
母乳育児は、ママと赤ちゃんが一緒に育っていくプロセスです。焦らず、ゆっくりで大丈夫ですよ。